結婚相談所の成婚率 カラクリをナカの人が徹底考察してみる 1/2
結婚相談所に入ってみようかな。とお考え頂いている皆々さまにおかれましては、
やっぱり気になるよね【成婚率】 だと思うんです。そりゃあそうだ。
ということで、そんな皆さまにクイズです。
・成婚率30%!!
・成婚率60%!!
・1年以内の成婚率80%!!
⇒ ハイ。どの結婚相談所が一番成婚できそうでしょうか?
まぁもちろん、「書いてある数字通りにいかない」からこそのクイズとしての存在意義なのでありまして、
今回の考察はそんな「成婚率のカラクリ」にメス? を入れてみようかなと。
結論から言えば、センチとグラムとヘクトパスカル(でも何でもいいけど)を比べているようなもので、
【そもそも比べようがない】なのですが、、(笑)
●そもそも成婚率の算定方法が定まっていない
そもそも、こっからして「それってどうなの?」と顧客からお叱りというか「激しく疑問をぶつけられ」そうなものなんですが、成婚率の算定方法って「決まっていません」
ありていに言っていまえば「なんでもアリ」
自虐を込めて言うなれば「無法地帯」です。
本来ならば結婚相談所全体を取りまとめるような業界団体みたいなのがあって、
そこが「成婚率はこうやって算出してください」なるものを提示している。かのように思われるでしょうが、
実は結婚相談所業界ってそういうの、無いんですよ。
IBJ(日本結婚相談所連盟)とか ← ニコッとMarriageが所属している連盟です。
BIU(日本ブライダル連盟)とか
あれやこれやと「それっぽい団体名」はいっぱい出てくるんだけど、
これって「業界の中のイチ団体」に過ぎず、
特に業界全体を管理・監督・統括している団体では無いんです。
で、もちろん、
それぞれの団体において「成婚率はこうやって算定すべし」的なルールを策定、周知をしてはいるのですが、
そもそも個別で運営している結婚相談所の側は、「いくつかの団体に所属している」ことも多いですし、
そうなると、あっちのルールを立てるとこっちのルールが立たず、みたいな矛盾現象が発生してしまうこともあって、
もはや手におえない。「言ったもん勝ち」とまではいかないにしても、
まぁそれに近しいくらいの状態ではあったりするんです。
ということなので、結論から言ってしまえば、
成婚率なんて見てもどの結婚相談所が優秀かなんて分かりやせん!算定方法を統一してから、話はそれから!
これが「冒頭クイズの模範解答です」となってしまうんですよね。
●算定の方法がバラバラなんです
というワケなのでバラバラですから、イイもワルイもありませ~ん。以上!
では、「なんにも面白くない」ので、じゃあ「どうバラバラなのか」具体的にみて行きましょうか。
こうやって縦に長く伸びて行くのがニコまり。流ブログでもありますし。(*'▽')~♪(笑)
まずは「算定方法のカラクリ」について見て行こうと思います。
モデルケースを使って考えてみます。
とある結婚相談所Aの1年間(2017年1月1日 ~ 2017年12月31日)の活動成績
・12月31日時点の会員数 100名
・1年間の入会者数 60名
・1年間の成婚退会者数 30名
・1年間の通常退会者数(成婚しないで退会)20名
・1年間の総退会者数 50名(成婚退会30名 + 非成婚退会20名)
※前提条件だけでこんなに数字が出てきちゃう時点で、計算方法が複雑で何でもアリ感が出ているような、、
ここから具体的にみて行きます。
A 1年間の成婚退会者数 30名 / 12月31日時点の会員数 100名 = 成婚率【30%】
定義として言うなれば、
【全会員のうち どれくらいが成婚しているか】を示す算定方法となるのでしょうか。
傾向値として「値が低くなる」ので、大手の結婚相談所では多少お見かけますが、中規模・小規模の相談所になると採用しているところはあまりお見かけしません。
「じゃあこの算定方法を採用している大手の結婚相談所は【腹が据わっている】ということで信頼できるんですね!」
と飛びつきたくなるお気持ちは分かりますが、それについては後半の「算定基準」のお話を読んでからご判断下さい。
お次はこんな算定方法
B 1年間の成婚退会者数 30名 / 1年間の総退会者数 50名 = 成婚率【60%】
定義として言うなれば、
【退会された会員のうち どれくらいの方がご成婚して辞めていったのか】を示す算定方法と言えます。
傾向値として「値が高くなる」ので、多くの結婚相談所がこの算定方法を採用しています。IBJの直営店(ラウンジメンバーズ)もこれを採用していますし、成婚率レースに参加していた頃のニコッとMarriageも、この値を成婚率として記載していました。
奇しくも(ていうか狙ってそうしたんだけど 笑)冒頭のクイズと同じ結果になっていますが、
この数値、中規模程度の結婚相談所であれば「割とよくある数値」だったりもします。
つまり、【30%】も【60%】も実は同じである。(数字ちがうのに)
という、実に摩訶不思議な現象が発生することが、この【成婚率】というものなのです。
またこんな算定方法もあるようです。
え、皆さんもうお腹いっぱいです?まだまだ出てきちゃうので、ツラい人はしたスクロールをどうぞ。(笑)
C 1年間の成婚退会者数 30名 / 1年間の入会者数 60名 = 成婚率【50%】
定義として言うなれば、
【入会した人のうち どれくらいが成婚できているか】となるでしょうか。
もちろん、今年入会した方が今年中に成婚退会できるかどうかは何とも言えない話ではありますが、
・比較的毎年、同程度の人数規模での入会数が続いていて
・比較的毎年、同程度の人数規模での成婚退会数が続いている
などの前提条件が合うならば、定義通りの算定方法と言えるでしょう。
但し、
・大手の結婚相談所はどちらかというと【A】の算定方法を採用していて
・中小の相談所だと年次によって入会数・成婚退会数にばらつきが出る為、算定結果もばらける可能性が高く
あまり採用している相談所を見かけることはありません。
但し、
・去年 たっくさんの会員が入会した
・よって今年 相当数の成婚退会数がカウント
・でも今年は それほど多くの新規入会は無かった
なんていう条件がそろった場合は、とんでも無い高い数字が弾き出されるケースもあります
例えば
去年入会 100名
今年成婚退会 30名(いっぱい入ればそれなりに成婚は出るでしょうよ)
今年入会 20名
成婚率 驚異の【150%!!】 ⇒ 今年成婚退会 30名 / 今年入会 20名 = 150%
どう判断すればいいのでしょう。2人のうち1人の会員は2人のお相手と成婚しているということでしょうか。
数字を面白おかしくするための「マジック」ではありますが、
状況によっては「90%」とかいうまるで「入会した人の殆どが成婚できる結婚相談所!」みたく謳うことも可能になるのです。
・結婚相談所なんて山ほどありますし、
・そのうちのいくつかはこんな状況を迎えている相談所もあるでしょうから
・その相談所がこの算定方法を採用すれば「ドリーム結婚相談所」としてのデビューも夢ではない
ということになりますね。
ちなみに通常で考えれば、去年100人入れば今年も概ね同数(⇒100名)退会しているケースが多いので、
【A】で算定すれば 30% ですし、【B】で算定しても【30%】という、
実はモデルケースと一緒、というよりモデルケースよりも実は寂しい相談所?という可能性もあります。
【50%】と算出されたあの結果はなんだったのかと。。
ホントに、数字のマジックって怖いですよね。
改めて自分で書いてみても、「ホントこえーわ。(;^ω^)」です。(笑)
●(外伝) 【1年以内の成婚率 ××%】
こんな成婚率、皆さん見たことがあるのではないでしょうか?
これってどういう風に読みます?
この成婚率を採用している場合、概ね数値は「高い」です。
70%台なんてザラで、80%とか、もっと高い所だと90%を超えているようなところも(!!)
これ、一般の消費者的な感覚値から言うと、
・入会した会員が
・1年以内でご成婚に辿り着いている確率が
・(例)80%!
だと読みません?
つまり、
「5名入会した会員のうち 4名が 1年以内にご成婚退会をされています」
って読まれると思うんです。違ったらゴメンなんだけど、私はそう読んでいた。素人時代。
でも違います。そういう数字ではありません。
D 成婚退会した人のうち1年以内で成婚退会した数 24名 / 1年間の成婚退会者数 30名 = 成婚率【80%】
こういうことなんです。
これまでのモデルケースで1度も登場していない
【成婚退会した人のうち1年以内で成婚退会した数 24名】なんていう数字が突然に表れました。ラブストーリーよりも突然に。なんでもありません。
つまり、
【入会した会員のうち どれくらいの方が1年以内に成婚退会しているか】を表すものではなくて、
【成婚退会した会員のうち どれくらいの方が1年以内に成婚退会しているか】を表しているものなのです。
そもそも計算の前提に出てくる数値が【成婚退会した人】であって、
通常一般の会員はどこにもこの計算の中にはどこにも入って来ません。
なので定義として敢えていうのであれば、
【あなたが成婚退会できるものと仮定をして それが1年以内に実現できる可能性が××%である】
という風になるでしょうか。
この成婚率を採用している相談所は時々見かけます。
だって、「値が大きくなる」から。見栄えがいいもの。
「YOUが入会したら 十中八九 1年以内に成婚させてやるぜ!」(1年以内の成婚率80%と仮定)
て「見える」ものですから、新規会員を集めたい業者さんの側に立てば、極めて優秀な算定方法ということになります。
実際、冒頭のクイズでお出しした成婚率でも、
・成婚率30%!!
・成婚率60%!!
・1年以内の成婚率80%!!
となっていて、「見た目の数値」としては「1年以内の成婚率」が圧倒的なる強さを発揮しています。
数字だけみたら、80%のあとに30%を見ると「ひっく!(;゚Д゚)」なんだけど、実際の中身としてはおんなじだったリするワケでして、、(;^ω^)(笑)
この成婚率を採用している場合、極端な話をしてしまえば、
・非成婚退会者数はどうでもよい
です。だって計算の中に入ってこないから。100人辞めていようが、いっそ1000人でも関係ない。
もう1回言うけど、「計算の中に入ってこない」んだもの。
ちょっとだいーぶ長くなってきましたので、続きは次回以降ということで、(;^ω^)(笑)
次回はカラクリ後半戦 「算定の基準がバラバラ」についてお話をしていきますね。